相続した不動産に抵当権がついているんだけど、どうしたらいい?
相続した不動産に抵当権が付いている場合には、様々なケースがあり、それぞれ対処法が異なります。

抵当権がある不動産を相続した場合の主な選択肢
債務者変更登記
債務者を相続人に変更し、そのまま不動産を引き継いで返済を続ける方法です。
不動産の売却
抵当権付きの不動産を売却し、売却代金で債務を返済する方法です。
相続放棄
遺産全体を放棄することで、抵当権付きの不動産も含め、一切の権利と義務を放棄できます。しかし、他の遺産も一緒に放棄することになります。
限定承認
遺産の範囲内で債務を支払うという制度です。遺産の価値が債務を上回っていれば、残った財産を相続できます。
団体信用生命保険の活用
亡くなった方が団体信用生命保険に加入していた場合、保険金で債務を返済できる可能性があります。
それぞれの選択肢のメリット・デメリット
選択肢 | メリット | デメリット |
---|---|---|
債務者変更登記 | 手続きが比較的簡単 | 返済の負担が続く |
不動産の売却 | 債務を確実に返済できる | 急いで売却する必要がある場合、適正な価格で売却できない可能性がある |
相続放棄 | 債務の支払義務から解放される | 他の遺産も全て放棄することになる |
限定承認 | 遺産の範囲内で債務を支払う | 相続人全員でする必要があり、手続きが複雑である |
団体信用生命保険の活用 | 債務を返済できる可能性がある | 保険金だけでは債務が全て返済できない場合がある |
どのような選択肢を選ぶべきか
最適な選択肢を選ぶためには、以下の点を考慮する必要があります
不動産の価値
債務額と比較して、不動産の価値がどの程度あるか。
返済能力
相続人が債務を返済できる能力があるか。
他の遺産の状況
他の遺産があるか、その価値はどの程度か。
今後のライフプラン
将来的に不動産をどのように利用したいか。
司法書士への相談
抵当権付きの不動産を相続することは、複雑な問題です。一人で悩まず、司法書士などの専門家に相談することをおすすめします。当事務所は、お客様の状況に合わせて最適な解決策を提案します。
ご相談に役立つ情報
ご相続のご相談の際にお聴きしたい主な情報は下記の様なことです。
亡くなった方の状況(年齢、職業など)
相続人の状況(人数、年齢、職業など)
遺産の内容(不動産、預金、株式など)
現在の状況(相続手続きを始めたか、していないかなど)
抵当権がついた不動産については、以下の情報をお知らせください。
亡くなった方の借金の状況(債務額、債権者など)
相続した不動産の状況(種類、場所、評価額など)
他の相続人の状況(人数、年齢、経済状況など)
これらの情報に基づいて、より具体的なアドバイスをさせていただけます。
早めの対応が大切
相続開始を知った際は、お早目に専門家に相談することをおすすめします。
相続放棄の期間: 相続開始とご自分が相続人であることを知ってから原則3ヶ月以内に相続放棄の手続きを行う必要があります。
限定承認の期間: 相続開始とご自分が相続人であることを知ってから原則3ヶ月以内に限定承認の手続きを行う必要があります。
まとめとして
抵当権付きの不動産を相続した場合、慌てず、専門家のアドバイスを受けながら、慎重に判断することが重要です。当事務所へお気軽にお問合せください。